一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
昇瑠が会計を済ませると
瑠花は勝におんぶされ、
かよ子は昇瑠に肩を借りてお店を出た。
四人はタクシーをひろうため、大通りに出たものの
金曜ということもあり
なかなかつかまえることができない。
やっと1台タクシーをつかまえて
瑠花と勝が先にタクシーへと乗り込んだ。
そして、後部座席のウインドウガラスが下がり
勝が顔を覗かせた。
「じゃあ、先に瑠花ちゃん連れて帰るよ!
かよ子さんまた飲みに行こうね♪」
かなり飲んでいたはずの勝はすっかりと
酔いを冷ましてケロッとした顔をしている。
瑠花はすでに泥酔状態で勝の肩にもたれかかり
熟睡している。
「今日は楽しかったです...
ご馳走までしていただいて
ありがとうございました...」
昇琉に肩を抱かれたまま、お辞儀をした。
「俺も楽しかったよ♪
昇琉!送り狼になるなよ!」
「それはお前だろ!!」
昇琉が真っ赤な顔で一瞥すると
勝は笑いながらタクシーで立ち去った
「かよ子さん、大丈夫?
少し待ったらタクシーが通ると思うから
もうちょっと頑張ってね。」
かよ子はコクりと頷くと倒れないよう
フラフラする足元に力を入れる。
困ったな...眠気も限界に近くなってきた...
でも、神崎さんと一緒に住んでることが
バレてしまうのは絶対に避けたい...
婚約者の耳にでも入れば神崎さんに
迷惑をかけてしまう...