一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
かよ子もカップを持って
キャンバスの前の丸椅子に腰を下ろすと
カップにそっと口をつけながら
チラッと凪沙に目を向ける。
「美味しいわ...」
そう言って、紅茶を飲む凪沙は
先程、エントランスで見たときの刺々しい表情とは
うってかわり、今は穏やかな表情をしている。
その薔薇の花のような華やかな美しさに
かよ子はポゥっと見とれていた。
やっぱり神崎さんが選んだ女性は素敵な人だな...
最初はストレートな物言いにビックリしたけど、
そんな怖い人ではないような気がする...
自分にも他人にも正直な人なのだろう...
だからこそ、自分の絵を褒められたときに
あんなにも嬉しく感じることができたんだと思う...
神崎さんもそんなところに惹かれたのかな...