一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない

どうして、そんなこと聞いてくるんだろう....?


あっ...そうか...


飲み会のときに神崎さんが
迎えに来たから一色さん勘違いしてるんだ...

「もしかして、社長と付き合ってるの?」

「ま、まさかっ。
あ、あの、社長とは別に何でもなくて...
ただ、絵が完成するまでの間だけ
社長のマンションに居候させて頂いてるだけなので...」


「一緒に住んでるの?」

一色さんは何故か寂しそうな表情を浮かべた。


いけない.....

こんな説明では語弊が生まれてしまう...


私は慌てて訂正を入れる。


「あの...でも付き合っているわけじゃなくて...
このことは会社の方には内緒でお願いします。
社長にはちゃんと婚約者がいますし...」

「えっ婚約者?...それ本当なの?!」


私の言葉に今度は怪訝な表情を浮かべた。


私は苦しい胸を押さえて
コクンと頷いた。


「なんだよアイツ...
なにが譲らないだよ...ムカつく」


「えっ?」


急に不機嫌な表情で呟く一色さんに
私はおろおろと困惑している。


「あっ、いや違うんだ!
かよ子さんに怒ってるわけじゃないんだ!
それに今日、引き留めたのは、かよ子さんに
折り入って頼みたいことがあったんだ!」


「頼みたいことですか...?」




    
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