一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
「うん!
実はもうすぐで高校生の妹の誕生日なんだけど、プレゼントに何がいいか分かんなくて...
かよ子さんに今度一緒に選んで欲しいんだ!」


「そういった類いは私より瑠花さんの方が
得意そうな気が...」

私には最近の女子高校生の喜びそうなプレゼントなど全く検討がつかない...

流行に詳しい瑠花さんの方が適役だろう...


「かよ子さんがいいんだ!」


そう言いきる一色さんに戸惑いながらも
特別、断る理由も見つからなかった。


「あまりお役にたてないかもしれないですが...
私でよければ...」


「ありがとう!
この土曜の休みは空いてる?」


「はい...大丈夫です」


「じゃあ、朝の10時に会社の前で待ってて!
車で迎えにくるから♪」


「はい...」


妹さんのプレゼントはどんなものがいいのか
瑠花さんに聞いておかないと...

あまり気乗りしない私をよそに
一色さんは嬉しくてたまらないというように
目を輝かせている。


「それじゃ、僕は仕事にもどるから
かよ子さん、気を付けてかえってね!
また土曜日に!」


「はい、お疲れ様です」


私がペコリと頭を下げると
一色さんは何度も振り返って手を振りながら
会社の中へと入って行った。

はぁ...今日は何だか濃い一日だったな...

神崎さんは京都まで出張って言ってたから
遅いのかな...

私は一色さんが会社に入るのを見届けると
またトボトボと家路に向かって歩き出した。
    
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