一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
「神崎さん、スーツ脱がせるので
体を起こせますか?」
かよ子の問いに翼はゆっくりと体を起こした。
かよ子は座っている翼の
スーツの上着を脱がせていく。
次にネクタイに手をかけ、悪戦苦闘しながらも
結び目をほどくとシュッと抜き取った。
そして、汗で湿ったワイシャツのボタンを外して
脱がせると
黒の肌着も汗でびっしょりと濡れていた。
すぐにでも着替えたほうがよさそうだ。
「神崎さん!着替えとタオルを持ってくるので
少し待っててくださいね!」
そう言うと、かよ子は急いで寝室を出ていった。
いつになく、きびきびとしたかよ子の姿に
翼はかよ子の出ていったドアを見つめながら
フッと微笑んだ。
本当は自分で脱ぐくらいの体力は残っている翼だが
一生懸命のかよ子が可愛いくて
ついつい甘えてしまっていた。
すぐに寝室に戻ってきたかよ子は
左手には着替えとタオル、
右手にはお湯のはった小さなバケツを持っていた。
かよ子はバケツを床に置くと、
お湯で濡らしたタオルを絞りながら
翼に目を向けた。
「神崎さん、体を拭くので
上の肌着を脱いでもらいたいんですが...?」
翼は一瞬かよ子の言葉に動揺したものの、
すぐに上の肌着を脱いだ。