一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
「ミケランジェロ?
ハハッ。
かよ子さんになら裸体画描いてもらいたいな」


「裸体画!?
け、結構です...拭き終わりました!」


私はすでに茹でダコのように真っ赤な顔で
神崎さんから離れると顔を横にそらして
肌着を差し出した。


「かよ子さん...腕に力が入らないんだ...
着せてもらえるかな?」


神崎さんは甘えたように私を見上げてくる。


私は渋々、神崎さんの前に膝立ちすると
神崎さんの頭に肌着を通した。


そして、神崎さんは肌着に腕を通すと
そのまま私をギュッと抱き締めた。


「神崎さん...腕に力が入らないって
嘘ですね...」

私は真っ赤な顔で
抱き締められながら呟いた。


「ハハッ。バレちゃったか...」


神崎さんは笑いながらも、抱き締める腕に力が入る。


「かよ子さん、下もお願いしてもいいかな?」


そして、ギュッと私を抱き締めたまま、
私の耳もとでボソッと囁いた。

私は更にボッと火が着いたように顔を赤らめると
神崎さんの肩を押してサッと離れた。


「そ、それだけ元気があれば自分で拭けますね!」


そう言って神崎さんの手をとり、タオルを握らせた。


「えっ?拭いてくれないの?」


神崎さんはズボンのベルトにカチャリと手を置いた。


「だ、駄目です!
お、お粥を作ってくるので
後はご自分でお願いします!」


私はベルトに手を掛けた神崎さんの手を押えて止めると
慌てて部屋を出ていった。


翼は“反応が可愛くて
からかい過ぎたかな”と
かよ子の出ていったドアを見つめながら
頬をポリポリと掻いて苦笑いした。








































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