一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
「かよ子さん...おはよう...」


俺の言葉に、かよ子さんはシーツに埋めた顔を少し上げると、チラッと横目で俺を見て

「おはようございます...」

手で顔を覆いながら呟いた。


そんなかよ子さんの半袖のパジャマからは
白く柔らかそうな二の腕がチラりと覗いて、
俺の視線をとらえて離さない。


かよ子さんの真っ白な二の腕は
意図も簡単に俺の理性を掻き乱してしまう...


俺はすくっと起き上がると、
ベッドの上で胡座をかいた。


そして、煩悩を振り払うように
ワシャワシャと自分の頭をもみくちゃにした。


「神崎さん...大丈夫ですか...?」


かよ子さんは俺の突飛な行動に目を見開いて
上目遣いで言葉を投げ掛けてくる。


一瞬パチッとかよ子さんと目が合った俺は
「大丈夫じゃないけど大丈夫」
追いかけてくるかよ子さんの視線から逃げるように目を反らすと、サッとベッドから降りた。



「か、かよ子さん!
そろそろ出掛ける準備しようか!」


少し声が裏返ってしまい、
俺は恥ずかしさを隠すように
ゴホンと咳払いでごまかす。


かよ子さんは様子のおかしい俺
首をかしげながらも
「はい!すぐにご飯準備しますね!」
パッと花が咲いたように無垢な笑顔で微笑んだ。
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