一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
俺とのデートが嬉しいのだろうか..?

ベッドから降りて、シーツを整えているかよ子さんは後ろ姿だけでも、浮き足だっている様子が見てとれる。


可愛いくて、後ろから今すぐ抱き締めたいけど止まらなくなりそうだから今のところは
我慢するとしよう...


じーっとかよ子さんの後ろ姿を見ていると
視線に気付いたかよ子さんが振り返って
ん?と、小首をかしげた。


「かよ子さん...大好きだよ」


俺は優しい笑みと共に思わず本音が溢れた。


「い、いきなり何を言ってるんですか!?」


かよ子さんは俺の一言にボッと顔を真っ赤にさせた。


そして、かよ子さんは真っ赤な顔で
枕の位置を綺麗に直すと
顔を伏せたまま、部屋を出ようする。


「あっ、かよ子さん、待って!」


俺はハッと思い出して咄嗟に
かよ子さんを呼び止めた。


「は、はい?」


かよ子さんはドアのところで、
ピタッと立ち止まると俺の方に振り返る。


「ごめん!急なんだけど
実は今日、旅館に予約入れてるから着替えの準備もしておいてほしいんだ」


かよ子は「えっ!?」と顔が一気に青ざめた。


いきなり旅館に泊まりというのは
やはり抵抗があるのだろうか...


青ざめたかよ子さんを見て、俺の脳裏に不安がよぎる。


「それならそうと、早く教えてください!
女性には色々と準備があるんですよ...」


そう言って、かよ子さんは口を尖らせ拗ねている。


「ごめん!すっかり伝えるの忘れてたんだ」


泊まり自体は怒っていないようだ...


俺はホッとしたように、肩を撫で下ろした。


そんなおれを尻目にかよ子さんは
「大変!急いで着替えの準備もしなきゃ!!」
と、慌てて部屋を飛び出して行った。


俺は張り切って飛び出したかよ子さんを見て
フッと笑いをこぼす。


もし将来、結婚できたら俺はかよ子さんに
頭が上がらなくなるかもしれないな...


でもまあ、それもいいかもな...


俺は両手を組んでグーッと真上に上げて
伸びをすると、上機嫌で部屋を出ていった。













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