一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
「まあ、この際、社長の本性がかよ子さんに
バレる前に外堀から固めていくのが得策かと...」


総司はクイッ眼鏡をあげる。


「何が得策だよ...
まあ、親父はいいが、
お袋には絶対に言うなよ?
かよ子さんに何を言うか分からないからな...」


血の気がひき、怯えの色を滲ませる俺に
総司は急に真剣な表情になる。


「そんな危険な橋を私が渡ると思いますか?
会長に睨まれたら蛇すら固まりますよ...
しかし、いつかは会長にかよ子さんを
紹介しないとなりませんよ?」


「分かってるよ...
やっと、かよ子さんと想いが通じたんだ...
今はまだ誰にも邪魔されたくない...」


俺は薄暗くぼんやりとした遠い目をして呟いた。

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