一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
Sideかよ子
神崎さんが幸せに浸っている頃、
私は仕事部屋でキャンバスに向かい、
無心で筆を走らせていた。
ふと、筆を止めて自分が描いていた絵を見つめると、心無しかいつもより色味が明るくなっていることに気づく。
きっと、神崎さんと両思いになって
嬉しい気持ちが知らず知らずのうちに
絵にもあらわれてしまったのだろう..
私は空の色を作る為にパレットに
青い絵の具と白い絵の具を取り出した。
あれ?
チューブから白い絵の具を絞り出していると
絵の具が残り少ないことに気付く。
確か、予備を買っていたはず...
私は椅子から立ち上がると
棚に置かれたビニール袋を
覗き込んだ。
赤や青色の絵の具に混じって白い絵の具も
一本だけ入っていた。
そろそろ絵の具を買い足しにいかなきゃね...
私は白い絵の具を手にとり
ビニール袋を棚に戻していると
Prrrrr......
部屋に備え付けられている電話が鳴り響いた。
ん?誰だろう?
私は電話が鳴り止まないうちに急いで電話の受話器を手に取った。
「はい...杉崎です」
『かよ子さん、お疲れ様。神崎です』
電話の主は神崎さんだった。
「お疲れ様です...どうかされましたか?」
『別に用はないんだけど...
かよ子さんの声が聞きたくなって...』
「そ、そうですか...」
神崎さんの甘い言葉に
照れくさくなり
受話器を持ったまま頬を赤く染める。
『ごめん...仕事中に邪魔して...』
「い、いえ、そんなことないです!」
思わず顔を横に振る。
「私も神崎さんの声が聞けて嬉しいです...
ただ、電話だとちょっと照れ臭いというか...
くすぐったいというか...」
『ハハッ、そうだね...
なんだかくすぐったい感じだよね...』
神崎さんの笑い声につられて
私も思わずクスクスと小さく笑った。
神崎さんが幸せに浸っている頃、
私は仕事部屋でキャンバスに向かい、
無心で筆を走らせていた。
ふと、筆を止めて自分が描いていた絵を見つめると、心無しかいつもより色味が明るくなっていることに気づく。
きっと、神崎さんと両思いになって
嬉しい気持ちが知らず知らずのうちに
絵にもあらわれてしまったのだろう..
私は空の色を作る為にパレットに
青い絵の具と白い絵の具を取り出した。
あれ?
チューブから白い絵の具を絞り出していると
絵の具が残り少ないことに気付く。
確か、予備を買っていたはず...
私は椅子から立ち上がると
棚に置かれたビニール袋を
覗き込んだ。
赤や青色の絵の具に混じって白い絵の具も
一本だけ入っていた。
そろそろ絵の具を買い足しにいかなきゃね...
私は白い絵の具を手にとり
ビニール袋を棚に戻していると
Prrrrr......
部屋に備え付けられている電話が鳴り響いた。
ん?誰だろう?
私は電話が鳴り止まないうちに急いで電話の受話器を手に取った。
「はい...杉崎です」
『かよ子さん、お疲れ様。神崎です』
電話の主は神崎さんだった。
「お疲れ様です...どうかされましたか?」
『別に用はないんだけど...
かよ子さんの声が聞きたくなって...』
「そ、そうですか...」
神崎さんの甘い言葉に
照れくさくなり
受話器を持ったまま頬を赤く染める。
『ごめん...仕事中に邪魔して...』
「い、いえ、そんなことないです!」
思わず顔を横に振る。
「私も神崎さんの声が聞けて嬉しいです...
ただ、電話だとちょっと照れ臭いというか...
くすぐったいというか...」
『ハハッ、そうだね...
なんだかくすぐったい感じだよね...』
神崎さんの笑い声につられて
私も思わずクスクスと小さく笑った。