一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
はぁ...

神崎さんかなり引いてたな...

ただの冗談をあんなに大騒ぎして
恥ずかしすぎる...

合わす顔がない...


私が一人自分のしたことに後悔していると、自室のドアの向こうでパタンと扉を閉める音が聞こえた。

神崎さん、お風呂に入ったのかな...


忍び足で自室のドアまで
足を進めるとそっとドアを開けてリビングを見渡した


そこに神崎さんの姿はなく
お風呂場からシャワーの音が微かに聞こえた

私はホッと胸を撫で下ろす。


そして来客用の枕と掛け布団を
持って来てソファーの上に置くと
キャンバスと画材道具を
急いで自室に運び入れた。


私はキャンバスの前に座って
フゥーっと大きく息を吐くと
胸のモヤモヤを払拭するように絵の続きに取りかかった


しかし全く筆が進まない


どうして神崎さんはあんな冗談を
いったのだろう...


私が男性と全く関わらないから
知らないだけで
男の人はああいう冗談は
普通のことなのかもしれない


それなのに私が急に怒りだしたから
神崎さんも困った顔していたのかも...


あぁ、穴があったら入りたい...


私は頭を抱えて
キャンバスの前で項垂れる


うわぁ~ダメだ!!

私は顔を思いきり横に振る。

取り敢えず絵を描いたら
忘れられるはず!


もう一度姿勢を正して
キャンバスにむかい筆を走らせた

頭のなかをぐるぐると回る色々な感情を
振り払うように...


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