一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
私達は一瞬、あまりのメグの変貌ぶりに
固まっていたが、
「メグ、とっても綺麗だ...」
啓太くんがニッコリと微笑んだ。


「うん...ほんとに綺麗...」

私は溢れてきた涙を拭いながら
震える声で呟いた。


私達の言葉にメグは向日葵が咲いたように
満面の笑みを浮かべた。


私はその向日葵のような笑顔を見た瞬間、
小さい頃、よく二人でお姫様の絵を描いていたことを思い出した。


お姫様になっていつか王子様と結婚したいね...

と、思いを馳せながら二人で描いていた。


今はそのメグが大人になり、
お姫様になって幸せそうに笑っている...


「メグ...おめでとう...
ほんとにおめでとう...」


私の小さく目尻に溜まっていた涙は
いつの間にかポロポロと大粒の涙へと変わっていた。


私は両手で顔を覆ってしゃくりを上げた。


「ハハッ...かよ子ったら...
まだ結婚したわけじゃないんだから...」

メグはそう言いながらも、次第に顔を歪めて
「うぅ~...かよ子ありがとう」
ポロポロと涙を流し始めた。


そんなメグに啓太くんは
「おいおい...
ウエディングドレス借り物なんだから...」
と、慌ててハンカチを渡す。


メグはハンカチで涙をガシガシ拭くと
「決めた!!私、このドレスにする!!」
ハンカチを握り締めて声を張り上げた。


そんなメグに私と女性スタッフが
せっかくの機会だからお他にも試着を勧めた。


しかし、「もう決めたの!」
と断固としてメグは譲らなかった。


それからお色直しのドレスも
メグは私や啓太くんの勧めたドレスを
即決で決めていった。

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