一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない



「よし!出来た!」

私はレタスとトマト入りのハムサンドとタマゴサンドを作り終え、その出来ばえに満足する。

そして調理した器具を洗い始めていると



バタンッ


玄関からドアの開閉音がして
再び私に緊張が走った。


「カヨ子さん、
パンクの修理が終わりました」


「あっ、
そ、そうですか...
サンドイッチを作ったので
た、食べられますか?」

目を合わせることなくこたえると
急いでタオルで濡れた手をふく。

「ありがとうございます。
ご一緒に食べたいのは山々ですが
お昼から取引先との会食の約束がありまして
もう出なくてはいけなくて...」

避けてたはずなのに、
なぜだか少し寂しさが込み上げてくる。

「そ、そうですか...
それでは...
タッパーに詰めるので車の中ででも
食べてください...」


「ありがとうございます。
有り難く車の中でいただきますね」

私は「すぐにパックに詰めて用意しますね」
と神崎さんの視線を避けて、サンドイッチをタッパに詰め始めた。

神崎さんが今、
どんな表情をしているのか
分からない。


でもきっと、こんな面倒くさい女に
呆れていると思う...


はぁ...

私は小さくため息をついた。

最後までまともに
顔を合わすこともできない
自分に嫌気がさしてくる。

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