一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
Sideかよ子

それから神崎さんと衣裳室へ戻った私は
私服に着替えて試着室を出ると、
試着室の外ではメグと女性スタッフが待っていた。


辺りを見渡すと、先程までいた神崎さんの姿がきえていた。


そういえば、啓太くんの姿もない...


「あれっ？二人はどこへ行ったの？」


私はメグに視線を移して、問い掛けた。


「お昼の準備してくるから、かよ子の
着替えが終わったらスタッフさんに
案内してもらえってさ」


「このホテルでお昼ご飯たべるの？」


「多分？」


メグはよく分からないというように
肩をすくめた。


「それでは、お部屋にご案内しますので
こちらへどうぞ」


女性スタッフはニッコリと頬笑むと
スタスタと歩き始めた。


私とメグはお互い顔を見合わせると
言われるがままにスタッフの後に続いた。


スタッフはエレベーターに乗り込むと
最上階のボタンを押す。


「最上階は何があるんですか？」


メグが押しボタンの前に立っている女性スタッフに問い掛ける。


「最上階には展望ラウンジがございます。
オープンすれば素敵な眺望を楽しみながら、
お食事ができますよ」


女性スタッフの言葉に、にこりと微笑みながら答える。



「オープンはまだ先だから、
そこのラウンジで出前か何かを頼むんじゃない？お寿司だったらいいな♪」


　　　　
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