一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
メグはご馳走を想像しながら舌舐めずりをした。


すると、グゥ~...
エレベーター内に私のお腹の音が
鳴り響いた。


「メグがそんなことを言うから
お腹空いてきたじゃない...」


私はお腹を押さえながら、顔を真っ赤にしてうつむく。


「お腹の虫が鳴ったのは私の所為じゃないわ!」


メグはムッと口を尖らせた。


スタッフさんにお腹の音を聞かれて
恥ずかしさのあまり咄嗟にメグのせいにしてしまった私は
「はい...私のお腹の虫のせいです...」
と、恥ずかしそうにメグに謝った。


その様子に女性スタッフはクスクスと笑っているとポーンと音が鳴って
エレベーターの扉が開いた。


それからエレベーターを降りると
二人は真新しい絨毯の敷かれた廊下を
女性スタッフの後ろからついて歩いた。


そして、女性スタッフはラウンジの
自動ドアの前で立ち止まって振り返った。


「こちらが展望ラウンジになります。
私はここで失礼しますので、ごゆっくりどうぞ。」


そう言って、女性スタッフが頭を下げるので
私とメグも「ありがとうございました」と
バッと頭を下げた。

そして、女性スタッフはニッコリと頬笑むと、自分の持ち場へと戻って行った。
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