一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
「最上階からの景色ってどんなだろうね♪」
「楽しみだね♪」
私達は顔を見合わせながら頬笑むと、
両開きのドアを開けた。
その途端、
パンッ
パッパパパパッーーン
クラッカーの音と共に色とりどりの紙テープ
が降ってきた。
『『かよ子さん、お誕生日おめでとう!!』』
私はしばし呆然としたまま
立ち尽くしていたが、我に返って目を見開いた。
目の前には神崎さんや啓太くんの他にも
立花さんや瑠花さん、それに凪沙さんや一色さんまでいた。
しかも、まだ神崎さんに紹介していないはずのお母さんやお母さんの再婚相手の義理のお父さんまで来ていたのだ。
「なんで...?」
私が震える声で呟く。
「皆、かよ子さんのお誕生日を
一緒にお祝いしたいと集まってくれたんだ」
神崎さんが微笑みながら口を開いた。
私の目に涙がみるみるうちに溜まっていく。
「まあ、数人呼んでないのに
来たやつもいるが...」
神崎さんがチラリと一色さんと凪沙さんに目を向けた。
「私はかよ子さんの親友よ?
祝って当たり前よ!」
凪沙さんは腕組みをしたまま、フンッと鼻をならす。
親友...。
凪沙さんがそんなふうに思ってくれていたなんて嬉しくて思わず笑みが溢れる。
「かよ子さん...お誕生日おめでとう!
今日は男友達としてお祝いさせてね」
一色さんがはニッとチャームポイントの八重歯を覗かせた。
「凪沙さん、一色さんまで...
ありがとうございます」