一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
「人見知りのかよ子がそんなに話せるなんて
神崎さんに余程心を許してるのね。
最初、かよ子が男の人と一緒に住むって
聞いたときはお義父さん、すっごく心配してたのよ?
私がもうかよ子も大人なんだからって言っても一度見に行ったほうがいいんじゃないかってうるさくて...」


「えっ...?」


私が義父を見ると恥ずかしそうに
頭を掻いている。


「でもね....神崎さんが挨拶に来てくれて
とってもかよ子のことを大事に思ってくれていることが分かって、お義父さん、
かよ子にいい人が出来て良かったーって
喜んでいたのよ。」


母は嬉しそうにフフッと笑っていたが
義父は隣で「恥ずかしいからやめなさい」と
照れ臭そうに母にぼやいていた。


お義父さん...


ずっと避けてたのに
そんな風に思っててくれたなんて...

私は何をそんなに恐れていたのだろう...


義父はこんなにも温かい目で
私を見守っててくれてたのに...


かよ子は再び流れ出した涙をハンカチで拭いながら
「お父さん、ありがとう...
今まであまり顔を出さなくてごめんね...
これからはもっと顔見せに帰るね...」

満面の笑みで義父に微笑み掛けた。


「あぁ、いつでも帰っておいで...
かよ子ちゃんの家でもあるんだからね...」


そう言って義父は温かい笑みをかよ子に向けるとグスッと鼻をすすった。


その様子を神崎さんはずっと温かく見守っていた。


それから神崎さんのお義父さんも途中から飛び入り参加して賑やかで楽しい誕生日会となった。
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