一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
私は家の中に入ると
冷蔵庫を開け、昨日買っておいた
お蕎麦を取り出した。


神崎さんから今日中にマンションに
帰る約束で許可をもらったため、
あまり長居はできない。


私がは急いでお蕎麦を食べていると
Prrrrrrrrrr...
突然、家の電話の音が鳴り響いた。


私は箸を置いて、椅子から腰をあげた。

きっと、神崎さんだ...


昨日も2回ほど電話があり、
今朝も朝早くからモーニングコールがあったのだ。


神崎さんの過保護ぶりは付き合ってから治まるどころか日に日に増しているような気がする...


大事に思ってくれることは有り難いのだが、
このまま行くと外出禁止令まで出そうで
気が気でない...


私はふぅっとひとつため息をつくと
電話の受話器を取った。


「はい、杉崎です...」


『かよ子さん、神崎です。
片付けは順調かな?』


電話口の神崎さんの声のトーンがいつもより少し低いのが気になりながらも、私は口を開く。
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