一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない

「僕を幸せに出来るのは
この世界でかよ子さん一人だけなんだよ。
かよ子さんの代わりなんていないんだ...
誰になんと言われようと
かよ子さんと出会ったあの日から
僕は一生離す気なんてないんだから...
かよ子さんがどこへ逃げたとしても
例え地の果てだって、追い掛けて捕まえるから...
だから...」


神崎さんはそこまで言うと
私の肩に手を置いてそっと体を引き離した。


そして、視線を私に向けた。


その瞳はいつになく真剣で、
それでいて緊張していた。


「だから、逃げるのは諦めて
僕と結婚してください」


突然のプロポーズに私は神崎さんを見つめたまま、驚いて声が出てこない。


嬉しさに胸が締め付けられる。


答えなんか決まってる...


なのに、不安げに私の答えを待つ神崎さんに
私は安心させるように目を細めた。


「はい...
もう逃げたりなんてしません。
ずっと私と一緒にいてください。」


涙まじりの声で答えた。


その答えを聞いた神崎さんは
「はあ～、緊張した～」
糸が切れたように、その場にしゃがみこんだ。


そして、私を見上げると
「良かった...」
なんとも嬉しそうな笑顔を向けた。