一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
「杉崎様でしたら、きっとお似合いになりますよ。
私も久々に腕が鳴ります♪」
戸惑う私とは裏腹にメイク師さんは
張り切ってメイク道具を取り出した。
もう、ここまできたら逃げられない。
それに何よりお母様が私のために
用意してくれたことが嬉しくてたまらないのだ。
「よ、よろしくお願いします...」
ヘアメイクのお姉さんは慣れた手つきで
迷うことなく、私の肌に
メイクを施していく。
ちゃんとその人に合った色味を選択して
個々のそれぞれの魅力を最大限に引き出す...
これも一種のアートといっていいだろう...
メイクだけでまるで
別人のように生まれ変わっていく...
私はメイク師さんの卓越した腕前を
感心したように眺めている。