一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
かよ子さんと結婚することは
世界中の人に触れ回りたくなるくらい嬉しい...
しかし、結婚式ともなると、
かよ子さんを見世物にするみたいで
嫌なのだ...
あの美しいウエディングドレス姿は
俺だけのものにしたい...
プロポーズをOKしてもらっても
俺の独占欲は治まる気配はない。
自分でも笑ってしまうほど
かよ子さんを独り占めしたくてしかたがない
ここまできたら、ほんとに病気だな...
俺は自身のあまりの独占欲の強さに
呆れていると、
何やら周りがザワザワとざわめき出した。
皆、入り口の方に注目している。
何だ...?
有名人を招待した覚えはないのだが...
俺は人の目線の先に目を向けて
あまりの驚きに言葉を失った。
そこには、黒のマーメイドドレスを
美しく着飾ったかよ子さんが立っていた。
流れるようなロングのポニーテールが
キョロキョロと見渡す度に
美しく煌めきながらなびいている。
その美しさに周りの男性も女性も
目を奪われていた。
「ほほぉ~、どこのご令嬢かな。
あんな綺麗なお嬢さん見たことないが...」
田沢社長が呟いた言葉など
俺の耳には届くはずもなく
考える前に俺の足はかよ子さんの元へと駆け出していた。