一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
次の日の朝、
私はメグと一緒に朝食をとると
メグが仕事に行くというので
玄関まで見送りに出た。


「カヨ子、ほんとにありがとう。
おかげで覚悟ができたよ」


そう言って微笑むメグは何か吹っ切れたような清清しい顔をしていた。


「うん。
きっと二人なら乗り越えられるよ」


精一杯の笑顔で微笑みかける。


「そうよね!
これまでも幾多の破局危機を
乗り越えて来たもんね!」


メグはニッと笑顔を向けた。


「うん。その度にうちに来てたよね。」


「フフッ。
ここは私の駆け込み寺だからね」


「いつでも駆け込んで来てもいいからね」


「ありがとう。
じゃあそろそろ仕事行ってくるね」


そう言って覚悟を決めて手を振るメグは
穏やかな顔で去って行った。


私はメグを見送ると
部屋に戻って
机の引出しから1枚の名刺を取り出した。


今、メグのために自分に
出来ることはこれしかない...


断られる確率の方が遥かに高いだろう...


煙たがられて呆れられるかもしれない...


でも少しでも望みがあるなら...


私は名刺をバックの中に入れると
玄関を飛びだし車に乗り込んだ。


そして名刺に書いてある神崎さんの会社へと
車を走らせた。
























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