一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
私は意気込んで来たものの
想像以上の高くそびえ立つ大きなビルを前に
立ちすくんでいた。


どうしよう...こわい...

でもここまで来て引き返すわけにはいかない...


私はふうっと深呼吸して
ビルの中へと足を進めた。


そして、自動ドアを恐る恐るくぐると
中はビシッとスーツできめた人々が
忙しく行き交っていた。



自分の格好はというと
白いパーカーにカーキ色のロングスカート
足元はスニーカー、
このロビーの中でかなり浮いてしまっている

この身なりのせいかすれ違い様に
皆こちらをチラチラと見てから通りすぎていく。

うぅっ、かなりこの格好浮いてる...

ちゃんとした服を着てくれば良かった...


早くも心折れそうになってしまう。

いや弱気になっちゃ駄目だ。
私はまだ何もしてないじゃない!


自分をふるいたたせるように
もう一度深呼吸すると
受付の女性に向かって歩き出した。



< 52 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop