一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
「あの...神崎とはどのようなご関係でしょうか?」
驚いた様子の受付嬢が確認してくる。
「あっ...すみません
あの...私画家をしているのですが...
今秋オープン予定のリゾートホテルに飾る絵を描いてほしいと神崎社長に頼まれまして...取り次いで駄目なら日を改めますので
どうか一度だけ取り次いでもらえませんか...」
「か、かしこまりました。少々お待ちください。」
受付嬢はすぐさま
どこかに内線をいれた。
『立花です』
「お疲れ様でございます。
今、受付に杉崎カヨ子様という女性の方が
社長にお会いしたいとお見えです。
アポイントは取られていないようなのですが
社長からホテルに飾る絵画を依頼されてるようです」
『社長が絵画を...?
分かった。取り敢えず確認するから
少し待つように言ってくれ』
社長が直々にホテルに飾る絵画を依頼したことはない...
総司は不信に思いながらも社長室へと向かった。
受付嬢は受話器を置いて私に向き直る。
「杉崎さま、お待たせいたしました。
今、秘書に確認を取っておりますので
しばらくソファにかけてお待ちください。」
良かった...
受付嬢の言葉にホッと胸を撫で下ろすと
「ありがとうございます」と頭を下げて
ロビーに設置されたソファーへ移動した。