一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
トントントン
「失礼します」
総司が社長室に入ると
翼はパソコンを開いて真剣な表情で
資料と見比べていた。
「なんだ?」
翼は資料を見ながら
総司に目を向けることはない。
「今しがた、受付から内線が入りまして
杉崎カヨ子という女性が社長に会いた...」
ガタッ
総司が言い終わる前に
翼は驚いた様子で立ち上がった。
「杉崎カヨ子と言ったか...?」
「はい...」
翼のかなり動揺した顔に
総司はビックリして目を見開いている。
「その女性は今どこにいる?」
「ロビーに待たせておりますが...」
総司が言うや否や
翼は社長室を飛び出して行った。
社長室には呆然と立ち尽くした
総司だけが残された。