一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
ここだよね...

私は神崎さんが書いてくれたメモを片手に
見上げると首が痛くなるほどの
高層マンションの前で立ち尽くしていた。


私は神崎さんに教えてもらった通りに
オートロックを解除すると
自動扉が開き、恐る恐る一歩足を踏み入れた。


扉が開き目の前に広がるのは
高級ホテルのようなエントランスホールだった。

うわぁ素敵...なんて広いんだろう...


辺りをキョロキョロ見渡していると
フロントに立っている綺麗なコンシェルジュとパチッと目が合った。


「お帰りなさいませ」


コンシェルジュはニコリと笑顔で頭を下げた。


「こ、こんにちは...」


私も急いで頭を下げると
逃げるようにエレベターに乗り込んだ。


ふぅ...恥ずかしかった...

えーと...神崎さんの部屋は...54階...

54階って最上階!?...


私はクラクラする頭で最上階のボタンをおした。


そして最上階に着くと
ドキドキしながらドアにカードキーを
差し込みゆっくり扉を開けた。


玄関も広いなぁ...


ほんとに勝手に入ってもいいんだよね...


「お邪魔します」


小さな声で呟くと
靴を揃えて長い廊下を進んでいった。


リビングに足を踏み入れ電気をつけると
まるでモデルルームのように
生活感の感じられない空間が広がっていた。


ほんとに神崎さんここで生活してるんだよね...


辺りを見回しながら
ゆっくりと大きな窓ガラスまで進んでいくと
さらにはるか遠くまで広がる眺望に息をのんだ。


すでに外は暗くなっており
街全体がキラキラと輝きを放っていた。


綺麗....こんな景色初めてみた...


私は絶景に心奪われながらも
神崎さんとのあまりにも見ている
世界の違いに
少し寂しさを感じていた。


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