一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
そう言って神崎さんは私を抱き上げるとスタスタと寝室の方へと歩き始めた。


「ひゃっ...神崎さん...お、おろして...」



神崎さんは私の言葉を無視して
寝室のベッドまで行くと
そっと私をベッドへ降ろした。


「何もしないから
今日はずっとそばにいて...」


そう言って神崎さんはベッドに入ると
後ろから私をギュッと抱き締めて
そのまま目を閉じた。

「か、神崎さんっ...?」


私の戸惑いの言葉に神崎さんは「かよこさん、おやすみ」と目を閉じたまま微笑んだ。
 

最初はドキドキしていた私も
後ろから伝わる神崎さんの体温に
なんとも言えない安心感に包まれ
そっと目を閉じた。
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