一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
ガチャリ
そっとドアを開けると
私を見た神崎さんはまるでご主人を見つけた
仔犬のように目を輝かせた。
「おはようっ。早く来てごめんね。
かよ子さんに逢うのが待ちきれなくて
いつもより早く起きてしまって...」
神崎さんの言葉に、朝からソワソワしていたのは自分だけではなかったのだと思うと嬉しくなる。
「おはようございます。私もいつもより早く目が覚めちゃいました」
私もつられて顔をほころばせた。
私の笑みに神崎さんは顔を赤らめると
「まいったな」
と何だか困ったようにガシガシと頭をかく。
「そうだ!
かよ子さん荷物はどこかな?
車に積み込むよ」
「あっ!リビングにまとめてます...どうぞ」
私が神崎さんに中に入るように即すと
神崎さんは“お邪魔します”と一言呟いて
少し恐縮したように部屋に入る。