一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
「こ、こちらです...」
「この旅行ケースと画材道具だね...
ん?これは?」
神崎さんは大きな布団袋を指差した。
「あ...それは私の布団が一式入ってます」
「じゃあ、これは必要ないね。
ベッドに一緒に寝ればいいよ」
そう言って神崎さんは旅行ケースと画材道具を持った。
「えっ!?でも...」
「大丈夫だよ。
一緒に寝るだけで何もしないから...
.........多分ね」
「た!たぶんて...?」
「かよ子さん、すぐ煽るからな~♪」
神崎さんはからかうように言う。
「あ、煽ってません...」
私は真っ赤な顔でうつむく。
「ほら!やっぱり煽ってる」
「煽ってませんて!」
私が勢いよく顔をあげると
神崎さんは荷物を持ったまま
腰をかがめて、私の唇にチュッとキスをした。
「唇...桜色だね...可愛い...」
そう言って微笑む神崎さんに
私はボッと火がついたように
耳まで熱くなった。
「ハハッ...ほらね...
じゃあ行こうか?」
神崎さんは私に優しく微笑むと
荷物を持って玄関へと歩き出した。
神崎さんに可愛いと言ってもらえたことが
なんだかとてもくすぐったくて、嬉しい...
口紅落とさなくて良かった...
私は胸がドキドキ鳴り止まない胸に手を当てると、神崎さんの後を追った。
そして神崎さんは車に私の荷物を積みこみ、二人で車に乗り込むと車はマンションへと走り出した。