HONEY BUNNY P!NK♡⦅前編⦆


「長居してしまってすみません」


玄関先で七生は頬を掻きながら申し訳なさそうに亜未夏さんに謝った。そんな七生を見て亜未夏さんは快活に笑う。こういうところ、本当に大人なんだなって思う。嫌味とかじゃなくて。ほんとに。


「わっはは!気にしないで~!すっごい楽しかったよ」
「俺も楽しかったです!」
「よかったらまた来てね。あっ、七生くんに渡そうと思ってたお土産忘れてた!ちょっとだけ待ってて~!」


どたばたと慌ただしく無駄に長くて広い廊下を走っていく亜未夏さんに気取られないように、七生がそっと声を潜めて耳打ちをした。


「亜未夏さんのこと、めぐる(・・・)に言うのはちょい保留な」
「ん?あ、おう」
「とりあえずは松川(まつかわ)のおっちゃんのところでお世話になってるってことにしとこ!バ先だし怪しまれないだろ。前に住み込みも居たって言ってたしさ。そっちの根回しもよろしく!」
「?、わかった」
 
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