僕のお姫様は甘えん坊さんですね
お昼。
家庭教師の授業が終わったセシーリアは、ジャックと食べるサンドイッチを作っていた。
トマトとキャベツを刻み終わり、次はハムを切ろうと思ってた時。
「セシーリア様…!」
メイドが慌てた様子で声をかけてきた。
「なにかしら?」
セシーリアは顔を上げる。
「ジャック様がお怪我を…」
「ええ!」
セシーリアはメイドに連れられて救急箱を持って外に出た。
剣の稽古をしていたジャックだが一体どんな怪我をしたのだろうか…?
「ジャック!」
「ああ、セシーリア」
ジャックの姿が見えたセシーリアは顔を真っ青にして声をかけた。
が、それとは対照的にジャックは木刀と片手にニコニコ手を振ってる。
ぱっと見た感じだと、特に大きな怪我をしたように見えないが…
「怪我をしたってメイドから聞いたのだけど…」
「怪我?ああ、木刀のトゲが手に刺さってしまって…」
「え?」
セシーリアは唖然とした。
「ほら、ここですよ~」
ジャックは左手をセシーリアに見せた。
確かに言われてみるとトゲが刺さっていた。
「な、なーんだそんなことだったのね…」
セシーリアはその場でしゃがみこむ。
「セシーリアは心配性ですね。でもありがとうございます」
ジャックはセシーリアに手を差し伸べる。
セシーリアはそれに掴まって立ち上がる。
「そりゃあ心配するわよ…ジャックなにかあったら私…」
セシーリアはジャックに抱きつく。
「大丈夫ですよ、セシーリアを置いていくことはありませんから」
「それならいいのだけと…」
「ところでセシーリアはエプロンをつけていますが、なにか調理中だったのでしょうか?」
「あ…」
ジャックに言われて、初めて自分の姿を見て見た。
確かにエプロンをつけたままだった。
「ええ、ちょっと料理をしてたところよ」
「料理ですか、僕も手伝いますよ」
「それでは行きましょうか」とジャックはセシーリアの腰に手を回した。
こうして2人でキッチンへ来ていた。
そういえば2人でキッチンに立つの初めてだった。
(なんだか新婚さん気分…)
なんて浮かれていると
「なるほどセシーリアはサンドイッチを作ってた途中なのですね」
「え、ええそうよ」
現実に引き戻された。
「では、セシーリアはハムを切ってください。僕は切られた食材をパンに挟んでいきますので」
「ええ、わかったわ」
セシーリアは包丁を握り、ハムを切り始めた。
(なんだかこうして2人で並んで立ってると、緊張しちゃう…)
「あっ…」
包丁で指を切ってしまった。
「大丈夫ですか?セシーリア!」
すぐにジャックが切ってしまった指を口の中に入れる。
傷口がジャックに吸われているのがよくわかる。
(甘い…)
吸われてる感覚が甘くて、心地よくて、おかしくなってしまいそうだ。
セシーリアは恥ずかしくなって、そっぽを向いてしまった。
「こ、こんなちょっと切ったくらいで大袈裟よ」
ジャックはセシーリアの指を口から出すと
「僕が怪我をした時、セシーリアが心配してくれたのと同じで、僕だって大切なセシーリアが怪我をしたら心配しますよ」
「っ…それは…」
当たり前でしょと言いたかったが、ジャックにキスされて言えなかった。
「フフ、僕のお姫様は甘えん坊さんですね」
「な、なんでそうなるのよ!」
「キスして欲しいって顔してましたよ」
「そんな顔してません!」
セシーリアは真っ赤になりながら抗議するが、ジャックはただ笑ったままだった。
「全く…本当に、可愛い人ですね」
家庭教師の授業が終わったセシーリアは、ジャックと食べるサンドイッチを作っていた。
トマトとキャベツを刻み終わり、次はハムを切ろうと思ってた時。
「セシーリア様…!」
メイドが慌てた様子で声をかけてきた。
「なにかしら?」
セシーリアは顔を上げる。
「ジャック様がお怪我を…」
「ええ!」
セシーリアはメイドに連れられて救急箱を持って外に出た。
剣の稽古をしていたジャックだが一体どんな怪我をしたのだろうか…?
「ジャック!」
「ああ、セシーリア」
ジャックの姿が見えたセシーリアは顔を真っ青にして声をかけた。
が、それとは対照的にジャックは木刀と片手にニコニコ手を振ってる。
ぱっと見た感じだと、特に大きな怪我をしたように見えないが…
「怪我をしたってメイドから聞いたのだけど…」
「怪我?ああ、木刀のトゲが手に刺さってしまって…」
「え?」
セシーリアは唖然とした。
「ほら、ここですよ~」
ジャックは左手をセシーリアに見せた。
確かに言われてみるとトゲが刺さっていた。
「な、なーんだそんなことだったのね…」
セシーリアはその場でしゃがみこむ。
「セシーリアは心配性ですね。でもありがとうございます」
ジャックはセシーリアに手を差し伸べる。
セシーリアはそれに掴まって立ち上がる。
「そりゃあ心配するわよ…ジャックなにかあったら私…」
セシーリアはジャックに抱きつく。
「大丈夫ですよ、セシーリアを置いていくことはありませんから」
「それならいいのだけと…」
「ところでセシーリアはエプロンをつけていますが、なにか調理中だったのでしょうか?」
「あ…」
ジャックに言われて、初めて自分の姿を見て見た。
確かにエプロンをつけたままだった。
「ええ、ちょっと料理をしてたところよ」
「料理ですか、僕も手伝いますよ」
「それでは行きましょうか」とジャックはセシーリアの腰に手を回した。
こうして2人でキッチンへ来ていた。
そういえば2人でキッチンに立つの初めてだった。
(なんだか新婚さん気分…)
なんて浮かれていると
「なるほどセシーリアはサンドイッチを作ってた途中なのですね」
「え、ええそうよ」
現実に引き戻された。
「では、セシーリアはハムを切ってください。僕は切られた食材をパンに挟んでいきますので」
「ええ、わかったわ」
セシーリアは包丁を握り、ハムを切り始めた。
(なんだかこうして2人で並んで立ってると、緊張しちゃう…)
「あっ…」
包丁で指を切ってしまった。
「大丈夫ですか?セシーリア!」
すぐにジャックが切ってしまった指を口の中に入れる。
傷口がジャックに吸われているのがよくわかる。
(甘い…)
吸われてる感覚が甘くて、心地よくて、おかしくなってしまいそうだ。
セシーリアは恥ずかしくなって、そっぽを向いてしまった。
「こ、こんなちょっと切ったくらいで大袈裟よ」
ジャックはセシーリアの指を口から出すと
「僕が怪我をした時、セシーリアが心配してくれたのと同じで、僕だって大切なセシーリアが怪我をしたら心配しますよ」
「っ…それは…」
当たり前でしょと言いたかったが、ジャックにキスされて言えなかった。
「フフ、僕のお姫様は甘えん坊さんですね」
「な、なんでそうなるのよ!」
「キスして欲しいって顔してましたよ」
「そんな顔してません!」
セシーリアは真っ赤になりながら抗議するが、ジャックはただ笑ったままだった。
「全く…本当に、可愛い人ですね」