僕のお姫様は甘えん坊さんですね
夕食

夜。
夕食の時間。
朝と同様に使用人たちが用意したものを2人で食べる。
と、「またブロッコリーが入っている…」
セシーリアは不満げに言う。
「そうですね。では今回も食べさせましょうか?」
「結構です!!」
セシーリアは力強く言う。
「じゃあ、キスさせてくれたら僕が食べますよ」
「え?」
と言うとジャックは立ち上がり、セシーリアの傍に行き跪く。
「さあ、セシーリア」
「無理無理ちょっと待って!」
セシーリアは慌てて口元を手で隠す。
「うーん、どうしましょうか…」
ジャックは立ち上がり、暫く考える素振りを見せると
「そうだ。じゃあセシーリア、僕にキスしてくれたら食べますよ」
「!!」
「ほら、セシーリア」
とジャックは目を閉じる。
(待って待ってどうしよう…そもそも私からキスしたことなんてあったかしら…?ってそんなことは置いておいてどうすれば…)
「セシーリアー?まだですか?」
「ちょ、ちょっと心の準備が…」
「準備?」
ジャックはクスッと笑う。
「そんなの必要ありませんよ。毎晩一緒に寝ている仲じゃないですか」
「それはそうだけど…」
「それとも…」
ジャックはせシーリアに背を向けると
「本当は僕のこと嫌いなんでしょうか…」と寂しげに呟く。
「なっ!違いますだいす…ゴホン!とにかくそんなんじゃないです」
「だいす…なんですか?」
ジャックは振り返ると嬉しそうに聞いてきた。
「えっと…」
「ほら、セシーリア」
セシーリアは俯くと小さな声で
「大好きです…」
「よく言えました」
ジャックは満足気にセシーリアにキスをする。
「もう…」
セシーリアは照れた顔を見られたくなくてそっぽを向く。
「さあセシーリア、まだブロッコリーが残っていますよ」
セシーリアの肩がビクッとする。
(すっかり忘れてた…)
「せっかく用意してくれた食事を残すんですか?」
「ああもう…」
セシーリアはどうにでもなれと言わんばかりに、ジャックにキスをする。
「セシーリア、そんなキスじゃだめですよ」
セシーリアはジャックが納得するまで何回もキスをすることになった。
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