僕のお姫様は甘えん坊さんですね
深夜。
天蓋付きのベッドでジャックとセシーリアは抱き合って眠っていた。
「はぁ…はぁ…」
セシーリアが荒い息をしているのに気がついたジャックは目を覚ました。
汗もかいているし、魘されてるのだろうか。
「セシーリア、大丈夫ですか?」
「っ…はぁ…はぁ…」
息がどんどん荒くなっていく。
「セシーリア…」
ジャックは素早くセシーリアの唇を塞ぐ。
と、セシーリアが目を覚ました。
「ああ、ジャック…」
とても弱々しい声だ。
「なんだか…とても怖い夢を見たの…」
「どんな夢ですか?」
「ジャックがいなくなる夢…」
ジャックはセシーリアにそっとキスする。
「大丈夫、僕はいなくなりませんよ」
「うん…わかってるわ…それでも怖いのよ…」
セシーリアはジャックにしがみつく。
ジャックはそんなセシーリアの頭を優しく撫でる。
「実は僕もセシーリアが出てくる夢を見たんですよ」
「どんな夢?」
「セシーリアと僕との間に子供がいる夢です」
「!!そ、それはまた…随分と先の夢ね…」
「そうでしょうか?」
ジャックは不思議そうにセシーリアを見つめる。
「えっ!ええ、まだ先の話よ」
セシーリアはそっぽを向いて力強く答えた。
「僕はいつでもいいんですよ。セシーリア?」
ジャックはセシーリアのお腹を擦りながら言う。
「と、とりあえず婚約してからの話しね…」
うんうんと頷きながら腕を組んで、目を泳がせながら言う。
「じゃあその時までとっておくことにしますか」
ジャックは嬉しそうにセシーリアの頬にキスをする。
(子供かー…)
もちろんジャックのと子供は将来的には欲しいつもりだ。
ただそれは今ではない。
今はまだやらなければいけない事、やりたい事などたくさんある。
(そうやって考えるとジャックがいない未来なんて考えられないわ)
なにより失うかもしれない恐怖に怯えるよりは、今できる最大限のことをして楽しみたい。
「ねえ、ジャック、私の事好き?」
「何言ってるんですか。もちろん大好きですよ」
「うん!」
セシーリアはジャックに抱きつく。

なんだか今回はいい夢が見れそう。
セシーリアは満足気に目を閉じた。
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