エリート外科医より、私は仕事!〜ウェディングドレスは心も身体もあなた色に〜

 勤務ラストの日、後10分でフロント業務が終わる。

 このホテルに入社したころは、ミスをして泣いたり、笑ったり、悔しくて泣いた時もあった。

 英語にも自信はあったのに、英会話レッスンとは違い生きた会話と言うものが分かっていなかった。

 
 本当に色々あったなぁ〜。


 『冬木さんお疲れ様でした、アメリカでも頑張ってね』


 事務所で皆さんに挨拶をし、主任から花束が渡された。


 向日葵は涙を堪えている。


 私は最後に一礼をして、従業員出入口に向かい扉を開けると、そこには雅姫さんが待っていてくれた。


 驚きと嬉しさが込み上げる。

 
 『桜陽、お疲れ。』そう言いながら私を抱きしめてくれた。


 『今夜はここで食事をしよう』と。


 私は一度もこのレストランを利用した事が無くて、今日と言う日に予約をしてくれたなんて最高に嬉しかった。


 私の腰に手を回し、さり気なくエスコートをしてくれる。お姫様気分。


 ディナーコースを堪能しながら雅姫さんが。


 『来週沖縄へ行かないか?』


 沖縄?


 『俺も担当患者もいない、今ならゆっくりアメリカへ行く前にどうだ?』


 私は「いきたい!」と明るい声でいった。まさか大好きな沖縄へもう一度行くことが出来るなんて。


 雅姫さんの誘いは私を最高に喜ばしてくれた。
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