エリート外科医より、私は仕事!〜ウェディングドレスは心も身体もあなた色に〜
小走りでラストのイルカショーへ、途中の売店でホットコーヒーを二つ。
二人とも薄手の上着を着ていても、海からの風が少しずつヒヤッと感じてきた。
イルカショーの会場では一番上の席に座り、プールの中では数匹のイルカが軽く潮を上げ泳いでいる姿がカワイイ。
それを見ただけでテンションが上がり、思わず雅姫さんの手を無意識にギュッと握ってしまう。
その行動に気づき私は頬が赤くなり、手を離そうとしたが、雅姫さんはもっと強く握り返してくれる。
ショーの音楽が流れ始め、身体が風でブルッとすると、雅姫さんが私の身体を腕の中に閉じ込めて…。
恥ずかしいけれど、腕の中の温もりは安心と優しさで心が熱を持ち、風の冷たさなんて吹き飛んでいく。
イルカショーを楽しみたいのに、心臓の鼓動がドクドクとうるさい。
それでもイルカ達のショーは素晴らしく拍手を送り感動から冷めやらず、そうしているうちに、会場のバックの海に太陽が段々と西に傾いていって。
青から茜色に染まっていく海、夕日にキラキラと感動もの。
ショーの会場からは観光客が少しずつ離れていき、会場にはもう誰もいない。二人は海を見つめながら、サンセットのなか、自然に抱き合い甘く、海のように深いキスを交わす。
私達のキスはイルカと夕日が目撃者。