エリート外科医より、私は仕事!〜ウェディングドレスは心も身体もあなた色に〜

 ◆◆◆ 雅姫


 病院から急いで家に帰り、直ぐに着替えて戻らなけれならない。


 だか何気なくリビングテーブルに目が移り、そこに一枚の便箋があった。


 桜陽の文字。


 そこに書かれていたメッセージを読んで、全身の血が一気に氷りついたようになり、体がふらついた。


 桜陽の部屋を覗いて見てみれば、荷物が全てない。


 うそだと何かの間違いだ、もう一度部屋の隅々までみても同じ。


 どうして??


 一緒に暮らし初めてまだ短い。それでも時々朝食を用意をしてくれて、それが嬉しくて、嬉しくて!!


 力が漲ってきて、疲れも飛んでいく。


 初めて照れたような顔をしながら、お弁当を作って渡してくれた日。



 その場でキスをしてギュッと抱きしめてたかった。


 医局で周りの目なんて気にならず、色とりどり豊かなお弁当。


 色々考えて作ってくれたんだと思うと、顔もニヤけてくる。


 うまい!!!


 スッと俺の舌に馴染んでくる。


 あ〜、大好きな味付けだ。









 
< 50 / 127 >

この作品をシェア

pagetop