エリート外科医より、私は仕事!〜ウェディングドレスは心も身体もあなた色に〜
『…あ〜運命だ…!』
『勝手だと思うかも知れないが、俺は会いたかった。ロビーで不安にしているお客様にしていた笑顔が忘れられなかった、あの笑顔に会いたいと』
……私の笑顔。
『接客をしていた時はキラキラしていて眩しかったな、俺は笑顔を独占したかった』
…っえ!
先生の手から伝わるあったかい体温。
私をそっと抱きしめる手。
『ずっとこうしたかったんだ、あの時から』
指先に力を感じて、しっかりと抱きしめられている。
『俺だけの笑顔が見たくて、強引だったのは分かっていたが側にいて欲しかった』
私は先生の腕の中から顔上げて、聞きたく無いけれど…
「家族がいるのに何故ですか?」
先生には分からないように指に力がグッと…、こうでもしないと心を支えられない。
先生は大きな溜息をつき、首を左右に強く振る、どう言う意味なの…?
『それが一番の誤解なんだ』
“一番の誤解…”、意味が分からない。
だって、あの時私はしっかりこの目で。
目に強い力を込めて私を見てる。
あれは何?誤解って…!