エリート外科医より、私は仕事!〜ウェディングドレスは心も身体もあなた色に〜
いつからこんなに雅姫さんに惹かれていたのだろう?
自分から遠ざけていた物を手にしたい、掴みたいと…願い初めている。
怖いけれど彼ならきっと与えてくれるのでないかと。彼とならきっと掴めそうと思ってしまう。
キラキラとそして甘い日常…。
そんな毎日をこの手に掴ませて、お願い。彼と一緒に幸せを…。
とうとう言葉にしてしまった。
明日は雅姫さんが学会から帰ってくる、こんなに待ち遠しいとは。私らしくない…まっいっか。
マンションの街灯の中、見覚えのある?記憶の隅になんか引っかかる女性が立っていた。
ふっとこちらに振り向き私をじっと見ている。周りをキョロキョロしても私だけ、なんだろう…。
足を進めていけば『冬木桜陽さんですよね』っあ…この人。
冷たい視線を私に送り、でもその中には怒りも混じっているように感じた。
嫌な予感が背中をゾクゾクさせる。
砂よ溢れないで……!