エリート外科医より、私は仕事!〜ウェディングドレスは心も身体もあなた色に〜
「……っう、う」
『……桜陽?なの?泣いているのどうしたの?』
私は無意識のうちに向日葵に電話をしていた。でも、泣き声だけで他の言葉が出て来ない。
「たす…けて…」とその言葉を言うことが精いっぱいで。
向日葵はマンションの前で雨に打たれて泣いている私を見つけて驚いていた。
二人でマンションの部屋に入り、泣いている私を何とか落ち着けさせようとしてホットミルクを用意してくれる。
嗚咽を漏らしながら、手を震えながら何とか一口飲む。
背中をゆっくりと摩ってくれて、どれくらいの時間が流れただろう?
向日葵にマンションの前であった事をポツリ、ポツリと話す。驚きで声も出ない向日葵はギュッと抱きしめてくれた。
今はこの温かさが心に染みていく、これから私はどの道の選択をしたらいいのだろう?
選ぶことは出来ないよね……、考える時間は無い、明日の午後には雅姫さんが帰ってくる。