エリート外科医より、私は仕事!〜ウェディングドレスは心も身体もあなた色に〜

 朝晩段々と寒くなってきて、自分を甘やかせ過ぎたたのか?高校生以来風邪を引くなんて。


 38度5分…。

 呼吸が苦しく、鼻が詰まりツライ。頭がボーとして動かない。こんなに身体がダルいなんて初めてで。

 ハァー、ハァー。

 『桜陽、インフルの疑いもあるから検査に行くぞ』

 雅姫さんは手際よく私の着替えを済ませて、病院に行くたくなくてジタバタ……する。

 そんなの抵抗にもならず、あっと言う間に車に乗せられ。


 『注射は俺がするから安心しろ』ニヤッと、悪魔の顔してる、絶対ヤダ…注射キライなの、ついでに病院もキライ、医者もキライ〜。

 痛いのイヤなの〜!


 内科から、レントゲン、最後は耳鼻科、ここが一番イヤだった。

 何をされるのか分からなくて、怖くて鼻に何か入れられてグリグリ、逃げようとしたら雅姫さんに頭をグッと固定され……。


 涙がいっぱいで、もうやだよ…。

 
 『桜陽、もう少しだから我慢だ』

 耳元で優しい声も悪魔の声に聞こえてきて。


 『終わったぞ、良く頑張った、さぁ帰ろう』

 
 グッタリしてる私を抱き上げる。


 「城田先生、え〜とその方先生の彼女さんですか?」と耳鼻科の先生が。

 私のことを興味シンシンで聞いてくる。

 『違うよ』、……っえ

 「違うとは?では妹さん?従兄妹とか?ですか?」

 なんて答えるの?


 『俺の大事な嫁さん、カワイイ嫁、河合先生忙しい所急に悪かったな』 

  
 私の目が大きく開く、雅姫さんの顔が見たいのに頭が言う事を聞いてくれない。。 

 


 「先生の?嫁??」え〜〜。

 診察室の騒ぐ声が、ボーとしている私にもハッキリ聞こえてきた。


 私は力の入らない指に、それでも雅姫さんの背中にギュッとしながら、涙を見られないように胸に顔うずめた。


 雅姫さんの言葉が何よりも嬉しかった。プロポーズだと思って良いのかなぁ。


 いつか、ちゃんと言ってくれる日を待ってます。




 


 


 


 

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