宿敵御曹司の偽り妻になりました~仮面夫婦の初夜事情~
この日もテンションが高かった海里は、食事がすむとお風呂にも入らす寝てしまった。
仕方ないので、一花は着換えさせる時に身体を拭いてやった。
海里を布団に寝かせてから、一花は陸に尋ねた。
「約束して大丈夫ですか?年末で忙しいでしょう?」
「何とかする。海里の為に休みを取るから。」
海里の為なら陸は何でもするのだと、改めて一花は思った。
ここに来る為に、海里に合う為に、どれだけ仕事を犠牲にしているんだろう…。
「でも、無理しないで下さい。」
「君と、海里の為だ。」
「私?」
「あの島に行こう。三人で。」
「えっ!」
「一花、管理人の山形は来年3月には引退したいと言ってきた。」
「山形さんが?」
「だから…。最後になるかもしれない。」
「別荘を…手離すの?」
陸の返事は無かった。