宿敵御曹司の偽り妻になりました~仮面夫婦の初夜事情~
「食後はコーヒーでいいかしら?
「ああ…。」
一花はササっとテーブルの上を片付けるとコーヒーを淹れてくれるらしい。
どんな風にコーヒーを淹れてくれるのか、カウンター越しにチラリと見たら
何と、お湯にインスタントコーヒー入れるところだった。
小鍋で沸騰しているお湯に、さっとインスタントコーヒーの粉を入れて火を止める。
「豆じゃあないのか…。」
ついポロリと本音が出たが、「あら、結構、飲めるわよ。」
それが妻の返事だった。
「このミルク入れてカフェオレにするのがお勧めなんだけど。」
関東地方では見た事も無いパックの牛乳を見せる。
一花はカップにそのままミルクを入れると旨そうに飲んでいる。
「じゃ、入れてくれ。」
「たっぷり?」
「フツーでいい。」
一花の真似をしてみたら、結構イケた。
「ふうん。まずまずだな。」
いつもの牛乳より濃厚な味がする。何処の製造か調べておこう。
仕事に繋がるかもしれない…。
ああダメだ。何処にいても俺は仕事が頭から離れないんだと痛感した。
「で、今日は突然、どうしたんですか?」