キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
智成は出張だっていうのにぎりぎりまで私とベッドでイチャイチャして、もう時間でしょ! と慌てる私をよそに悠々と支度をして「二週間いい子で待ってろよ」と濃厚なキスをして出て行った。
玄関で送り出した私はどっと疲れが出てリビングのソファーでひと休み。
いくらぐっすり寝て元気になったからって早朝からあれだけ運動させられるとこっちがぐったりする。
智成が疲れてそうに見えたのは気のせいだった? タフすぎる智成に心配するだけ無駄だったと思わずにはいられない。
つい、ふうっ~っと大きなため息が出た。
今日はバイトが休みでよかった。
足腰立たなくて仕事どころじゃなかったと思う。
もう少し休んでから部屋を片付けて帰ろうかな。
そう思っていたのに三十分もしないうちになぜか智成から電話が来た。
「どうしたの智成?」
『ああ、茉緒。悪い、忘れ物して。すまないが駅まで届けてくれないか?』
「え? 忘れ物?」
出て行くときに忘れ物はない? って聞いたのに。
智成はないと答えて悠々と出て行ったはずなのになにしてるんだか。
書斎に使っている部屋に大事な書類を置き忘れていたと焦り気味で、呆れつつその書類を見つけると早速届けに行くことにした。
タクシー使っていいからと言われ素直に従う。
まだ休んでいたかったから正直有難い。
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