キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
それは、確かに自分でも思う。
でも、この状況。
お腹を支えられ後ろから抱き抱えられ足は浮いたまま。
意外と逞しい腕と広い背中に智成の体温を感じて胸がどきどきと激しく跳ねる。
「わ、わかったから、離して」
「やだ」
「やっ……?」
やだってなに!?
じたばたともがくけど一向に降ろしてくれない。
「なに? なんなの?」
「お前、今日」
「え?」
「会社を見に来たなんて嘘だろ」
「あ……」
「どうせバスに乗り間違えたんだろ。陸翔の働いてる会社を見に来たとかもっともらしいこと言って」
「ははは……」
バレてた。
誤魔化して笑うと智成はあろうことかこつんと私の後頭部に額を付けたのが分かった。
足は床に着いたけど放してくれそうにない。
「陸翔、だけでなく、俺もあそこで働いてんだけど?」
「え?」
なんか拗ねたような言い方にキョトンとしてしまった。
「俺もいるんだけど、茉緒は陸翔のことばっかりだな」
これはもしかして、ほんとに拗ねてる? いじけちゃってる?
顔が見えないのが残念だけどなんかかわいいとか思っちゃった。
「あはは、だって、智成があのおっきな会社で働いてるっていっても納得なんだもん。偉そうな人と颯爽と歩いてただけでもカッコよかったよ。でもお兄ちゃんは全然イメージになくって、びっくりしたから」
思わず笑ってたらやっと解放されて、振り向くと智成は意外そうな顔で私を見おろしていた。
「……え?」
遅れてやってきた疑問符にまたぷっと吹き出した。
「なにその顔? 会社じゃできる男みたいにびしっと決まってたのに、今なんか間抜けな顔してるよ?」
「し、失礼な奴だな」
笑ってると頭をかき回され髪の毛がぐしゃぐしゃになった。
もう! なにすんのよ! と文句を言うと智成はいつものようににやりと笑う。
このちょっと意地悪な顔、嫌いじゃないけどかっこよすぎてむかつくわ。
でも、この状況。
お腹を支えられ後ろから抱き抱えられ足は浮いたまま。
意外と逞しい腕と広い背中に智成の体温を感じて胸がどきどきと激しく跳ねる。
「わ、わかったから、離して」
「やだ」
「やっ……?」
やだってなに!?
じたばたともがくけど一向に降ろしてくれない。
「なに? なんなの?」
「お前、今日」
「え?」
「会社を見に来たなんて嘘だろ」
「あ……」
「どうせバスに乗り間違えたんだろ。陸翔の働いてる会社を見に来たとかもっともらしいこと言って」
「ははは……」
バレてた。
誤魔化して笑うと智成はあろうことかこつんと私の後頭部に額を付けたのが分かった。
足は床に着いたけど放してくれそうにない。
「陸翔、だけでなく、俺もあそこで働いてんだけど?」
「え?」
なんか拗ねたような言い方にキョトンとしてしまった。
「俺もいるんだけど、茉緒は陸翔のことばっかりだな」
これはもしかして、ほんとに拗ねてる? いじけちゃってる?
顔が見えないのが残念だけどなんかかわいいとか思っちゃった。
「あはは、だって、智成があのおっきな会社で働いてるっていっても納得なんだもん。偉そうな人と颯爽と歩いてただけでもカッコよかったよ。でもお兄ちゃんは全然イメージになくって、びっくりしたから」
思わず笑ってたらやっと解放されて、振り向くと智成は意外そうな顔で私を見おろしていた。
「……え?」
遅れてやってきた疑問符にまたぷっと吹き出した。
「なにその顔? 会社じゃできる男みたいにびしっと決まってたのに、今なんか間抜けな顔してるよ?」
「し、失礼な奴だな」
笑ってると頭をかき回され髪の毛がぐしゃぐしゃになった。
もう! なにすんのよ! と文句を言うと智成はいつものようににやりと笑う。
このちょっと意地悪な顔、嫌いじゃないけどかっこよすぎてむかつくわ。