キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
「茉緒、帰ってたんだな、会いたかった」
「私は……会いたくなかった」
目の前にいたのは二度と会いたくなかった元カレの浩紀だった。
ズキッと胸に嫌な痛みが走った。
もう彼に対する気持ちはこれっぽっちもない。
彼は私を裏切り、捨てた男。
心の奥底にしまったはずのあのときの光景や辛い気持ちがぶりかえって嫌な気分になっただけだ。
ぎゅっとキーホルダーを握って唇を噛み締める。
日中の時間彼は仕事中のはず。
不定休の為たまたま休みだったのならなんてタイミングだと散歩しようと外に出たことを後悔した。
そんな私のことなど気づくはずもなく彼はちょっとくたびれた私服姿で眉尻を下げて私に微笑みかける。
「茉緒、話を聞いてくれ。俺が間違ってた。俺には茉緒が必要だって気づいたんだ」
「は? なにを今更。そんな話聞きたくない」
なにを聞かされようとしてるのか、なんとなく察したけど、もう私には関係ない。
かおりさんの勝ち誇ったような顔がちらつく。かおりさんがいようがいまいがもう関わり合いになんてなりたくない。
踵を返して私は足早にその場を去った。
なのに浩紀はしつこくついてきた。
「待ってくれ。かおりとは別れたんだ。あいつ束縛がひどくて、息苦しかった。料理はできないしわがままだしやっぱり社長令嬢のあいつとは住む世界が違うんだって気づいた。でも茉緒は料理もうまいし一緒にいると気楽で楽しかった。俺には茉緒がいいって思い知ったんだ、俺たちやり直そう」
「私は……会いたくなかった」
目の前にいたのは二度と会いたくなかった元カレの浩紀だった。
ズキッと胸に嫌な痛みが走った。
もう彼に対する気持ちはこれっぽっちもない。
彼は私を裏切り、捨てた男。
心の奥底にしまったはずのあのときの光景や辛い気持ちがぶりかえって嫌な気分になっただけだ。
ぎゅっとキーホルダーを握って唇を噛み締める。
日中の時間彼は仕事中のはず。
不定休の為たまたま休みだったのならなんてタイミングだと散歩しようと外に出たことを後悔した。
そんな私のことなど気づくはずもなく彼はちょっとくたびれた私服姿で眉尻を下げて私に微笑みかける。
「茉緒、話を聞いてくれ。俺が間違ってた。俺には茉緒が必要だって気づいたんだ」
「は? なにを今更。そんな話聞きたくない」
なにを聞かされようとしてるのか、なんとなく察したけど、もう私には関係ない。
かおりさんの勝ち誇ったような顔がちらつく。かおりさんがいようがいまいがもう関わり合いになんてなりたくない。
踵を返して私は足早にその場を去った。
なのに浩紀はしつこくついてきた。
「待ってくれ。かおりとは別れたんだ。あいつ束縛がひどくて、息苦しかった。料理はできないしわがままだしやっぱり社長令嬢のあいつとは住む世界が違うんだって気づいた。でも茉緒は料理もうまいし一緒にいると気楽で楽しかった。俺には茉緒がいいって思い知ったんだ、俺たちやり直そう」