キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
「妊娠、してるのか?」
浩紀が困惑したように聞いてくる。
私が握っているのはマタニティーマークのキーホルダー。
妊娠初期でも妊婦とわかるように身に着けるかわいいマークのことだ。
数日前、これを取り付けて浮かれていた自分に実家にいる間はしまっておきなさいと忠告してやりたい。
知られたくない人がいるのにまだつけるのには早すぎた。
まさか浩紀に気づかれるとは、苦々しく思いながらなんて言おうと頭を悩ます。
するとその間に気を取り直した浩紀がとんでもないことを言った。
「俺の子、だよな?」
「はあ!? んなわけあるかっ!」
勘違いも甚だしい。
最後に浩紀とそういうことをしたのはもう一年近く前だ。
ほんとに浩紀の子ならとっくに産まれてなきゃいけない。
浩紀の子を身ごもるなんてそんなこと考えるのもおぞましい。
「じゃあ、誰の子だっていうんだよ、相手は誰なんだ!」
「あんたに言う必要ないでしょ!」
逆上した浩紀に腕を掴まれそれを振り払い睨み合う。
家はすぐそこだというのに膠着状態で、逃げるタイミングを失っていた。
「茉緒!」
後ろから名を呼ばれて思わず振り返った。
そこにはここにいるはずのない智成が、なぜかうちの門から出てきたところだった。
長い脚ですたすたと私の許に来た智成を唖然と見上げる。
なんでここに智成が? と言おうとした言葉は飲み込まれた。
なにを思ったのかガシッと私の顔を両手で挟みいきなりキスしてきたのだ。
これにさすがに焦った。
目の前には浩紀が思いっきり目を見開き凝視してるし、ここは家の前で思いっきり外だ。
ご近所さんに見られたらもう恥ずかしくて外を歩けない。
構わず濃厚なキスをしてくる智成を引き剥がそうと胸を押すけどびくともしない。
血の滲む下唇に気づいたのか執拗にそこを舐められ、ちゅっとリップ音まで響かせてやっと離れてくれた時には息も絶え絶えだった。
その上驚きすぎて言いたい言葉が出てこない。
浩紀が困惑したように聞いてくる。
私が握っているのはマタニティーマークのキーホルダー。
妊娠初期でも妊婦とわかるように身に着けるかわいいマークのことだ。
数日前、これを取り付けて浮かれていた自分に実家にいる間はしまっておきなさいと忠告してやりたい。
知られたくない人がいるのにまだつけるのには早すぎた。
まさか浩紀に気づかれるとは、苦々しく思いながらなんて言おうと頭を悩ます。
するとその間に気を取り直した浩紀がとんでもないことを言った。
「俺の子、だよな?」
「はあ!? んなわけあるかっ!」
勘違いも甚だしい。
最後に浩紀とそういうことをしたのはもう一年近く前だ。
ほんとに浩紀の子ならとっくに産まれてなきゃいけない。
浩紀の子を身ごもるなんてそんなこと考えるのもおぞましい。
「じゃあ、誰の子だっていうんだよ、相手は誰なんだ!」
「あんたに言う必要ないでしょ!」
逆上した浩紀に腕を掴まれそれを振り払い睨み合う。
家はすぐそこだというのに膠着状態で、逃げるタイミングを失っていた。
「茉緒!」
後ろから名を呼ばれて思わず振り返った。
そこにはここにいるはずのない智成が、なぜかうちの門から出てきたところだった。
長い脚ですたすたと私の許に来た智成を唖然と見上げる。
なんでここに智成が? と言おうとした言葉は飲み込まれた。
なにを思ったのかガシッと私の顔を両手で挟みいきなりキスしてきたのだ。
これにさすがに焦った。
目の前には浩紀が思いっきり目を見開き凝視してるし、ここは家の前で思いっきり外だ。
ご近所さんに見られたらもう恥ずかしくて外を歩けない。
構わず濃厚なキスをしてくる智成を引き剥がそうと胸を押すけどびくともしない。
血の滲む下唇に気づいたのか執拗にそこを舐められ、ちゅっとリップ音まで響かせてやっと離れてくれた時には息も絶え絶えだった。
その上驚きすぎて言いたい言葉が出てこない。