キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
「ま、茉緒……」
智成に叱責されてもなお私に縋るような目を向けてくる浩紀に悲しくなる。
こんな人でも昔は好きだったのに……。
「もう、私のことは諦めて。これ以上失望させないで、憎ませないで。浩紀との楽しかった日々まで辛い思い出になるのはいやだ。もう私たちは終わったの」
涙声で訴え、帰ってと言った後はもう浩紀の顔を見れなくて智成の胸に顔を埋めた。
守るように抱きしめた智成の最後通告が胸の振動から伝わる。
「茉緒は俺の子を宿した俺の婚約者だ、俺が茉緒を幸せにする。茉緒の幸せを望むならお前は二度と茉緒の前に現れるな」
似たようなことを有川さんに言われたことを思い出し胸がきゅっと痛んだ。
でも、私の好きな人は私との幸せを願ってくれる、逞しい腕で守ってくれる。
その胸に私は安心しきってただただその腕の中に包まれていた。
しばしの沈黙の後、腕を緩めた智成に上を向かされた。
「茉緒、もう大丈夫だ」
ちらりと浩紀のいた方を見ればもうその姿はなかった。
納得したのかはわからないけど、やっと帰ってくれたようだ。
はあ~っと深いため息を吐くと脱力感でふらついた。
支えてくれた智成に帰ろうと促され、実家へ向かうと、門のところに肘を着けニヤニヤしているお兄ちゃんと遭遇した。
「な、なんでお兄ちゃんが」
「いやあ、修羅場だったなあ~、面白いもん見せてもらったぞ」
「なにが修羅場よ! 面白がらないで!」
お兄ちゃんに一部始終を見られたことに羞恥心が襲う。
がーがー言い合う私たちを智成が制してとりあえず家に入ると、家にいたお母さんが外で言い争う声が聞こえたけどなにかあったのかな? なんてのんきに言ってるのを笑って誤魔化した。
そして、なぜお兄ちゃんと智成がここにいるのか聞く前に智成にふたりで話したいと二階に連れて行かれた。
「茉緒の部屋は一番奥な~」とお兄ちゃんが余計なことを言って私は智成に自分の部屋に連れ込まれた。
智成に叱責されてもなお私に縋るような目を向けてくる浩紀に悲しくなる。
こんな人でも昔は好きだったのに……。
「もう、私のことは諦めて。これ以上失望させないで、憎ませないで。浩紀との楽しかった日々まで辛い思い出になるのはいやだ。もう私たちは終わったの」
涙声で訴え、帰ってと言った後はもう浩紀の顔を見れなくて智成の胸に顔を埋めた。
守るように抱きしめた智成の最後通告が胸の振動から伝わる。
「茉緒は俺の子を宿した俺の婚約者だ、俺が茉緒を幸せにする。茉緒の幸せを望むならお前は二度と茉緒の前に現れるな」
似たようなことを有川さんに言われたことを思い出し胸がきゅっと痛んだ。
でも、私の好きな人は私との幸せを願ってくれる、逞しい腕で守ってくれる。
その胸に私は安心しきってただただその腕の中に包まれていた。
しばしの沈黙の後、腕を緩めた智成に上を向かされた。
「茉緒、もう大丈夫だ」
ちらりと浩紀のいた方を見ればもうその姿はなかった。
納得したのかはわからないけど、やっと帰ってくれたようだ。
はあ~っと深いため息を吐くと脱力感でふらついた。
支えてくれた智成に帰ろうと促され、実家へ向かうと、門のところに肘を着けニヤニヤしているお兄ちゃんと遭遇した。
「な、なんでお兄ちゃんが」
「いやあ、修羅場だったなあ~、面白いもん見せてもらったぞ」
「なにが修羅場よ! 面白がらないで!」
お兄ちゃんに一部始終を見られたことに羞恥心が襲う。
がーがー言い合う私たちを智成が制してとりあえず家に入ると、家にいたお母さんが外で言い争う声が聞こえたけどなにかあったのかな? なんてのんきに言ってるのを笑って誤魔化した。
そして、なぜお兄ちゃんと智成がここにいるのか聞く前に智成にふたりで話したいと二階に連れて行かれた。
「茉緒の部屋は一番奥な~」とお兄ちゃんが余計なことを言って私は智成に自分の部屋に連れ込まれた。