キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
安心したように笑った智成ににっこり笑って決意を新たにお腹を摩ると、智成がが今何か月だと聞くから二カ月に入ったところだと言うと、視線を上げ逡巡した後にハッとした顔でとんでもないことを言った。
「そういや、出張前にあんなに激しく抱いてしまったけど、あの時にはもう妊娠してたんだよな? 酒も飲んでただろ、大丈夫か?」
心配そうな顔して顔を覗き込まれてうっと言葉に詰まる。
なんでそんな恥ずかしいこと思い出すのよ! やめてよもう! と、思うものの実は私もちょっと心配でお医者さまに聞いていたのだ。
「だ、だだ、大丈夫よっ、お医者さまは赤ちゃんは順調だって言ってたし、これから無理しなきゃ問題ないって言われたからっ」
慌てて言うと、智成はそうか、と心底ほっとしたような顔をする。
真剣に心配してくれて、きっと智成は優しいパパになるだろうと、まだ見ぬ未来に期待を込めて見つめると智成も優しいまなざで見つめ返してくれる。
「茉緒はなにも心配せずに子供を産んでくれればそれでいい。子育てだってちゃんと協力するし、仕事の心配までしなくていいから。俺は多少の困難があった方が燃える質らしい。今仕事が楽しくてしょうがないんだ。だから余計に没頭して心配かけさてしまったかもしれないけど、無理してるわけじゃない。茉緒が負担になるなんて考えなくていいんだ」
無理してないというなら倒れることもなかったでしょうと、ジトっと見つめると智成は目を逸らしポリポリと頬をかく。
「倒れたってのは、誰から聞いたのか知らないがそんな大げさなものじゃない。少し眩暈がして暫く動けなくなっただけだ。病院行って点滴してもらってすぐ治ったから」
まだじっとりと睨む私に苦笑いを零して智成はまた私を抱き締めた。

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