キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です

次の日の夜。
無水カレーは美味しくできたと思う。
でも食べてくれる人はいない。
智成は会食、お兄ちゃんも飲み会があるとかで今日は一人寂しい夕飯だった。
ひとりでお留守番は珍しくないけど、ひとり暮らししたことないから独りぼっちってこんな寂しいんだなとか思っちゃう。
そんな寂しさを吹き飛ばしてくれるのがジャグジー付きのお風呂。
「はあ~癒されるぅ~」
ひとりだからゆっくりゆったり入れるとあって思いっきりブクブクの泡を楽しんだ。
いつもより念入りにお肌の手入れもして、お風呂上がりの熱い体にキャミとショートパンツというラフな格好で髪を拭きながら出てくると、ちょうど玄関がガチャリと開いた。
「あれ、お兄ちゃんおかえり」
「ま、茉緒チャン? なんですかその恰好は!?」
はしたない! お兄ちゃん許しませんよ! と、いきなりお母さんみたいに怒らた。
実家じゃこんな格好通常でお兄ちゃんだって見慣れてるはずなのになんだか最近口うるさくなってる気がする。
「お風呂上がりで熱いの! いいじゃん裸でいるわけじゃないんだし」
男と住んでるのわかってる? とぶつくさ文句を言われなにを今更と思う。
「お兄ちゃんと智成だよ? なにか問題ある?」
そう言ってやったらお兄ちゃんはお説教は諦めたのかため息をついた。

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