キス魔な御曹司は親友の妹が欲しくて必死です
なんと、時々訪れていたご婦人は智成のお母さんだった。
智成がなかなか紹介してくれないからとこっそり私に会いに来てたというのだから全然気づかなかった私はただただ驚くばかり。
呆れ顔の智成は盛大にため息をつき勝手なことするなよとぼやいてたけど、お母さんはどこ吹く風。
私はなにか失礼なことをしてしまってないだろうかと戦々恐々としたけど、お母さんはここでの私の働きぶりを見て好感を持っていてくれていたよう。
それに智成との赤ちゃんがいると聞いて喜んでくれた。
それにはほっと一安心。
お父さんの方も反対はしないから安心してと言われた。
なんでも智成の会社の白石社長は伯父だと言っていたけど、智成のお母さんは白石社長の妹なんだそうだ。
「へえ、妹……」と、ピンときていない私に智成はツンと額を人差し指で突いた。
「うちの父さんと白石社長は親友同士なんだ。そして母さんは白石社長の妹。似てると思わないか? 俺たちに」
と言う智成に、なるほどそうだったんだと納得。
智成とお兄ちゃんは親友同士で私はお兄ちゃんの妹で、確かに似ている。
なんだかそれだけで親近感が湧いてくるというもの。
お母さんもそのようで初めから好感を持っていてくれたそうだ。
「だから大丈夫よ」という優しいお母さん微笑みに涙が浮かんだ。
そうして、お母さんに勇気をもらって私たちは後日、智成のご両親に挨拶すべく実家へと赴いた。